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428 名前:【SS】専売特許[sage] 投稿日:2011/08/14(日) 22 18 15.10 ID Jbm9KjYL0 [7/8] 京介「専売特許の日、か。 桐乃の専売特許は『人生相談』か? ・・・・・・なあ桐乃、おまえもう俺に人生相談しないのか?」 桐乃「しないよ。 前に最後だって言ったじゃん」 京介「何でなんだ?」 桐乃「あんたに人生相談するのがイヤだから」 京介「はっきりと言うな。 確かに俺じゃあ頼りないけどな」 桐乃「そうじゃないって。 もともとさ、あんたに相談しなきゃいけない事態になること自体がイヤだったの」 京介「そうか。 そうだよな。おまえは一人で解決したがるし」 桐乃「そういうこと。 これでもさ、あんたになんだかんだ頼むのは結構勇気がいったんだからね」 京介「そうだったのか・・・・・・ ん?でもよ、そう大したことなくても人生相談とかを持ちかけてきたことがあった気が・・・・・・」 桐乃「そ、それは・・・・・・素直になれなかったからっていうか・・・・・・」ゴニョゴニョ 京介「ん?なんか言ったか?」 桐乃「なんでもない! とにかく、それも含めて、もう『人生相談』はしないから。 ・・・・・・言いたいことがあったらちゃんと素直に言うから。 あんたもそのほうが楽でしょ?」 京介「そうか・・・・・・でも少し残念だな」 桐乃「何でよ」 京介「いや、こんな兄貴だからさ、いつも無視してくる完璧超人な妹に、『人生相談』持ちかけられるのは結構嬉しかったんだぜ 」 桐乃「・・・・・・ふん。 バカじゃん・・・・・・・ あたしの専売特許が『人生相談』ならさ、あんたの専売特許は『シスコン』だよね」 京介「ひでえな。 確かに俺はシスコンだけどよ、前はそうでもなかっただろうが」 桐乃「そういう意味じゃなくてさ、 ・・・・・・妹が困ってたら、ちゃんと助けてくれるってこと」 京介「・・・・・・そうだな。 それはこれまでも、これからも変わらねえ」 桐乃「というわけで、シスコンな兄貴に、可愛い妹からの命令! 今日買ってきて読み終わった兄×妹本を貸してあげるから、明日までにちゃんと読んで感想を聞かせること!」 京介「なにが『というわけで』だよ! おまえ困ってねえじゃねえか! ったく、『理不尽な妹』っていうのもおまえの専売特許だよな」 桐乃「えへへー。 わかったらこの『あた兄』本の『霧乃』ちゃんの可愛いところについてたっぷり聞かせてね!」 -------------
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266 名前:【SS】[sage] 投稿日:2011/09/26(月) 15 50 07.84 ID Dv+DbQFa0 [1/2] SS彼女が髪を黒く染めたら1-SIDE京介 時間軸設定は原作6巻辺りのイメージでお楽しみください。 3本立てとなっていますが、 彼女が髪を黒く染めたら1-SIDE京介 彼女が髪を黒く染めたら2-SIDE桐乃 彼女が髪を黒く染めたら3-SIDE??? の順に読まれると面白いかと思います。 「よっしゃあ! これでコンプしたぜ」 寝むい目を擦りつつ俺は小さくガッツポーズをあげた。時計を見ると今は深夜の3時過ぎを指している。 何とか間に合ってよかったぞ。桐乃に『今日中に終わらせる事。遅れたら死刑だかんね!』と言われてたからな。 俺がやっていたのは≪イメチェンした妹とお兄ちゃんが恋をしたら≫と言う正統派(らしい)エロゲだ。 妹がワガママで見た目も大嫌いと言う兄が、イメチェンした妹を見て恋に落ちるって設定なんだが 妹がイメチェンした位で恋愛関係になる兄妹がどこにいるっつーんだよ! 作った奴って絶対に妹いないだろ。 まあいい。とりあえず早くコイツを返して眠りたい。そっと部屋を出た俺は、隣に見える桐乃の部屋に向かった。 ドアを軽くノックし、ノブを捻って─って開いてやがる。 去年だと鍵が閉まってたんだがな、などと思いつつドアを開ける。 ──と、そこで俺はありえない存在をこの目で見た。 「きり…の、って。おわ!? あ、あやせ……さん?」 そこに立っていたのは黒いロングヘアを持つ少女だった。その少女は部屋の奥にあるベッドの方を見ている。 あ、あれってあやせだよ…な。つかなんで桐乃の部屋にいるんだよ!? じゃねえ! 桐乃はどこに? 俺の声に反応した少女はびくっと肩を震わせ、ゆっくりとこちらを振り向く。 「…へ? まさか桐乃、お前…か?」 振り向いた少女は、魅力的なマル顔を持ち前髪にヘアピンを付けた俺の妹。桐乃だった。 桐乃は、俺の顔を見るなり表情を引きつらせる。 「あ、ああああんた! なんであたしの部屋に来てんの!?」 「いや、ええと…ってなんで俺が慌ててんだよ! お前が今日までにエロゲコンプしとけつってたから さっきまでやってたんじゃねえか。んでついさっき終わったんで返しに来たんだよ。じゃねえ! 桐乃、お前その頭はなんだ? なんでその…黒い髪なんだよ」 黒い桐乃のロングヘアーを見ながら、ふと1年前の夢を思い出す。そう言えばあの時夢に出てきた 桐乃ってこんな髪だったっけな。しかも素直で兄思いだし、あれなら恋人になってもいいかもしれねえ ──と、俺は今何考えてた!? 妹と恋? まるでさっきやってたエロゲーじゃねえかよ! 「こ、これは違うっての! 今度やるモデルの仕事で使うから試してただけ」 「モデルの仕事でって、わざわざ髪染めさせるってのか?」 幾ら仕事つっても女子中学生の髪染めさせるとか無いだろ。一応これでも俺の妹だし、 その妹を玩具みたいに扱わせんのは俺だって許せねえぞ。 「大丈夫だって。数時間で落ちるやつだし。それに髪傷めたりしないから」 「そうなのか?」 「うん。そんなキケンなのだったらあたしだってオッケーしないってば。水で洗うとすぐ落ちるし」 「ならいいけどよ。俺の妹にヘンなもん使わせてるんじゃねえかと焦ったぞ」 ほっとする俺を見てニヤニヤしだす桐乃。 「へー。ふーん。あんたあたしの事がそんなに心配なんだ? チョー焦る位に」 このやろ…心配して損しちまったぜ。まあこれでこそ桐乃だよな。 「へっ! 心配なんてしてねーよ」 「はいはい。ま、あんたに心配なんてされてもキモいだけだし」 黒髪で偉そうな態度をみせる桐乃。髪の色が違うだけで中身は変わってねえな。 まあ当然って言えば当然か。だけど髪を染めるってどんな仕事なんだろうな。 「それで一体どんな仕事なんだ? 桐乃がわざわざ髪を染めるほどってよっぽどなんだろ?」 「え…ええっと…その」 そこで何故か言いよどむ。まさか人に言えない内容じゃないよ…な? 「えっと──そう! 黒髪の妹が実の兄と見つめあってるシーンが撮りたいんだって!」 「ぶはっ! ちょ、ちょっと待て! なんでそこで実の兄なんだ!」 まさしくさっきやってたエロゲでおんなじシーンあったんだよね! あれは1人で見てても 気まずいなんてレベルじゃなかったぞ!? 夕日を背に頬を染めて見つめあう兄妹─いやいやいや。 「そう言う設定なんだからしょうがないじゃん! あ、あたしだってキモすぎて止めてって感じだし。 でも、あんたがそう言うつもりならしょうがないかなって。あんたとんでもないシスコンだし」 「ちょっと待てい!? なんでそこで俺が入ってる! それってモデルの仕事じゃないのか?」 さすがに実の兄妹だぞ、自他共に認める美少女つっても一応は兄妹なんだぞ。 「そ、そう仕事の話! そう言うシチュの子撮りたいって話」 「そう言うシチュって…黒髪だったらあやせとかいるだろ。髪染めさせてまで、なんで桐乃なんだ?」 「あやせは一人っ子だから、そう言う表情出すのって難しいみたいでさ。だからあたしがやんの」 「そう言う事かよ」 一応は納得がいった。モデルってのは表情も重要らしいからな。 「そう言うワケだから、あんた彼氏やって」 「無茶言うな! 俺が兄貴だからつってもモデル経験なんてねーぞ!」 「違うっての。実際の仕事はあたしだけ、あんたは表情を作る手伝いしろって事」 「兄妹設定だってのに、1人で撮るのか?」 「当たり前じゃん。相手役なんていたらあたしが受ける訳ないっての」 「仕事じゃねえのか? なんで受けないんだよ」 「…うっさいバカ」 仕事って好き嫌いでやっていいのかよ。まあ俺はそういう業界知らないし、普段の我儘を知る身としては 桐乃の性格でも見た目さえよけりゃ問題ないんだろう、なんて想像してみる。 しかし眠いな。エロゲ返して帰るつもりだったが、さすがにそのまま帰してはくれないだろう。 仕方ねえ、桐乃が納得するまで手伝ってやるか。嫌いあってるとは言え、俺たちは兄妹なんだしな。 「んで、俺はどうすればいいんだ?」 素人の俺に頼むぐらいだし、横に座ってろとか簡単な内容なんだろう。 「あんた、あたしに愛をささやいてみて」 ぶほっ! 盛大に吹いた。 「ま、待て! さすがにそれはマズイだろ!? 俺たちは兄妹だぞ?」 桐乃が黒髪になってるせいか、俺は思わぬ想像を働かせてしまう。いつもと違って、その… 清楚なイメージがあるんだよな。なんて言うか別の意味で魅力的って言うかなんていうかとにかく可愛い。 「か、勘違いすんなっての! あんたの言葉であ、あたしが表情イメージしなきゃなんないの!」 ああ…そう言う事か。今日の俺はなんだかヤバイな。 「じゃ、じゃ行くぞ?」 「かかってこいっての!」 お前に襲いかかる訳じゃないからね。そんな事したら、高校卒業までにどこかの施設にお世話になっちまう。 「桐乃……お前が好きだ」 「ふぇ!? あ、ああああのそそその」 いきなり真っ赤な顔でうろたえ出す桐乃。つかこんなんで大丈夫かよ。 俺だってマジで死ぬほど恥ずかしいんだぜ。 「今のじゃ駄目か?」 「ま、まだなんか足りない」 ちっ。今のじゃ駄目なのかよ。ならこれで…。 「俺の瞳には、お前しか映ってないんだぜ?」 「…あんたそれ、今返してくれたエロゲのセリフまんまでしょ」 なぜばれた!? くそっ…桐乃の記憶力はエロゲのセリフをすべて暗記してやがったか──ならば!。 「桐乃…」 俺は桐乃を見つめながら、その両肩を軽く手で掴む。 「あ、あんた何を…」 少し不安げな表情を見せる桐乃。黒髪の清楚な雰囲気と、甘い花のような香りが俺を狂わせていく。 そう言えば、今日も香水つけてるんだな、などと考えつつ俺の中に浮かんだ言葉をそっと放つ。 「お前を……誰よりも愛している」 「……!?」ガタンッ! 桐乃の見せた表情は、今まで見た中でも最高に美しいと感じた。 やべえな。俺もなんだかおかしくなっちまったみたいだ。 俺の言葉を聞いた桐乃は、目を潤ませながらじっと俺を見つめて来る。 待ってくれ、そんな目で見つめられたら冗談じゃ済まないっての…。 「あ、あたしもあんたの事………し、てるから」 桐乃が何か言ったような気がするが、頭がぼーっとしていてうまく聞こえない。 ───だけど、きっとこれで大丈夫だよな。こんなに素敵な表情の桐乃を俺は今まで見た事がないから。 -------------
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52 名前:【SS】 『100スレ立ってもブラコンで』[sage] 投稿日:2012/02/14(火) 08 13 25.22 ID sIjFgfoB0 [2/2] 『100スレ立ってもブラコンで』 「桐乃スレも、もう100スレかぁ。思えば遠くへ来たもんだ」 俺は椅子の背もたれに寄りかかり、天井を見上げながらそう呟いた。 あれは数年前の事。偶然ネット上で桐乃を応援するスレッドを見かけた。 当の本人の兄である俺としては、何事かと思い即座にそのスレッドの書き込みをチェックする。 するとそこには、「きりりん頑張れ!」、「大好き!」等、純粋に桐乃を応援する言葉ばかりが並んでいた。 中には、少しばかり不謹慎な言葉を浴びせる輩もいたものだが、誰からというわけでもなく、そういう奴は別の桐乃ファンから 叩かれていた。 俺が出る幕も無かった。しかし、「きりりんちゅっちゅしたいお!」とか、マジ殺すぞあの野郎。 ……とまぁ、そんな桐乃の応援部隊の一員として潜んできた俺も、今こうして、100スレ目を皆と共に迎えているわけだ。 「感慨深ぇなぁ」 きっとモデル雑誌か何かがきっかけだったのだろう。桐乃を応援する人は着実に増え、今では小説や漫画みたいな物まで投稿されている。 しかも、どれもこれも素晴らしい。きっと桐乃への気持ちが籠っているのだろう。 これらは全て、感謝しながら保存させてもらっている。兄として思う、本当にありがとう。 ――ただ、一つだけ注文を付けるのであれば、その投稿物の中の桐乃が、 あまりにもブラコン な点については、少しばかり訂正を願う。アイツはあんなに俺を慕ってはいない。現実からかけ離れ過ぎている。 それなのに、スレの住人達はやたらと桐乃を兄(俺)とくっつけようと目論んでいる。こればかりは例外なく、だ。 確かに雑誌のインタビューなんかでは、『大好きなお兄ちゃんと買い物に行きます!』とか書いていて桐乃もマジ天使なんだが、実際には 「ちょっと買い物付き合って」 「あんま近く寄んないで」 「アンタ、アタシにコレ買って」 といった感じで、俺を下僕のように扱っている。 「大好きなお兄ちゃん♪」→「このシスコンマジキモーい」 ……正反対もいい所である。住民はもっと現実を知るべきだ。 「とはいっても、可愛いのは事実だからなぁ」 妹の偽装への愚痴をこぼしながら、スレッドに新しくupされた桐乃の雑誌写真(もう持ってる)を眺める俺。 ディスプレイに映る桐乃は、満面の笑みで輝いている。 「きりりんマジ女神」 住人たちの毒にやられ、俺はバカみたいな台詞を無意識に口走っていた。 するとその時、 「ねぇ」 突然、背後から誰かが俺に呼びかけた。声で分かる、噂の人物、桐乃本人だ。 「ぅお!?」 俺は慌てて画面のウィンドウを最小化する。あっぶねえ、桐乃に見られたらシャレにならん。 見られてないよな?聞かれていないよな? 耳の奥まで響く鼓動を抑えつつ、俺はあくまで冷静に振り返る。 「お、脅かすなよな!ちゃんとノックぐらいしるっ!!」 「はっ?何言ってんの?今更って感じじゃん」 それでも、見られたくない時だってあるから、最低限のルールは守って下さい! 「まぁいいや。で?アンタ、今何見てたの?」 「――別に?普通にネットしてただけだけど?」 「まさかまたカ○ビアン・コム?」 「ちっげーよ!?」 思わず大声で否定してしまった。コイツ、いい加減忘れてくれなぇかなぁ……。 「本気で否定するって事は、逆に怪しいわね。――とりあえずそれは後で確認するとして」 桐乃が小さな声で、凄く気になることを言っていた。 「……アンタさぁ、今日、何の日か知ってる?」 「へ?今日?」 桐乃から投げかけられ唐突な質問に、俺は間抜けな声を上げる他無かった。 パソコンのモニターに映るカレンダーを見ると、『2月14日』と無機質に浮かび上がっている。 「あぁ、そっか。そういえばバレンタインデーだったな」 スレッドの話題が俺の頭を埋め尽くしていたので、すっかり抜け落ちていたぜ。 「アンタ今まで忘れてたの?」 桐乃が少しばかり不機嫌そうに尋ねてきた。 「いや、学校にいる時は覚えてたんだけど、さっきまで忘れてたわ」 「意味分かんないし……」 妹のこと考えてたら忘れました、なんて言えるわけがない。何処のシスコンヤローだよ、それ。 「んで、そんなバレンタインデーがどうしたって?」 「えっ、あぁ。まぁ、なんというか、その……」 自分から聞いてきたわりに、俺の質問に言葉を濁す桐乃。何だってんだ、一体? 「……アンタさぁ、誰かからチョコ、貰ったりしたの?」 「はあぁ?」 「だから!地味子や黒いのとか、沙織とかからチョコもらったかって聞いてんのっ!?」 桐乃は怒鳴りながら聞いてくる。一方の俺は、桐乃からの問いかけに一瞬だけ頭を真っ白にさせられた。 「いや、貰って、ねぇけど?」 「……えっ?ウソ?」 「ホント」 「なんで?」 「しらねぇ」 イラついていたはずの桐乃は、俺の返答が意外だったのか、急に驚いた表情に切り替わった。 「えっ、嘘、アイツ等はともかく、まなちゃんは絶対……」 そうして今度はブツブツと小声で自問自答を始めた。 ――あぁ、そうか。 多分桐乃は、俺が麻奈実や黒猫達からチョコを貰ったと勘違いして、どういう理由かは知らないが、それを確認しに来た、と。 でも実際は、俺は誰からも貰っていなかったので、予想が外れてビックリ!、ってなとこだろう。 「何を考えてんのか分からねぇけど、俺は今回、皆の好意を突っぱねたんだわ」 「何それ?どういうこと?」 「言葉通り、用意してもらったチョコを、『受け取らなかった』んだ」 「……は、はあぁぁぁぁぁ!?」 桐乃が甲高い声を発し、掴み掛るように俺に迫ってきた。 「何それ?なんで!?皆が用意したのに断るとか、バカじゃん!?ありえないんですケド!」 桐乃の言い分はもっともだ。普通に考えれば、それはおかしい。 男子高校生なら、ドヤ顔で友人に自慢しても良いレベルの話である。 しかし、それでも俺は断った。 いつもいつも勢いだけで行動している俺だが、今回ばかりはちゃんと動機もある。 そしてそれは、今までの俺にない、新しい一歩となるべく取った行動なのだ。 「確かに、俺は男としたら最低の事をしているかもしれない。義理チョコだったとしても、それを用意してくれた優しさに 泥を塗ったようなもんさ。……でもな、俺はもう決めたんだよ。フラフラしねぇって」 「――」 「ちょっと前の事だけど、お前は俺に言ったよな?『アタシが一番じゃなきゃイヤ』だって。その時の俺は純粋に嬉しく思ったし、 お前を可愛いとも思った。なんつーか、兄冥利?に尽きる気分だったよ」 「……あっそ」 桐乃はバツの悪そうに、でもあまり嫌そうにはせず聞いている。 「それから俺は自分で決めたんだ。これからは、桐乃の一番でいよう、ってな。どうしようもない兄でも、桐乃がそう求めるんなら 叶えてあげなくちゃな、ってさ」 気付けば桐乃はそっぽ向いている。――まぁ、今言ってるのは随分と恥ずかしい事だし、顔を見られずに済んで良かったかな。 「極端なのかもしれねぇけど、チョコを受け取らなかったのも、そういう意味があるんだわ。どうせ義理なんだけどな」 気持ちだけでなく行動で示す、不器用な馬鹿なりに考えた誠意の示し方だった。 いざ言葉にすると恥ずかしいなぁ、なんて、そんな風に照れ隠しをしながら頭を掻く。眼前で桐乃が「……やっぱりバカじゃん」とか 呟いていたけど、あまり気にしないでおこう。 「――って、彼女作るわけでもないし、別に気にするほどでもないよな?……あれ?」 一通り話しておいてなんだが、自分の取った行動が、今になって幾つか疑問点が混じっている事に気付く。 なんつーか、大袈裟じゃね?『妹』との間柄なのに。 俺はどうして、 異性の好きな人にチョコを贈るイベントで、 妹を優先して断ったのだろうか? そしてどうして、それを妹に伝えようとしたのか? ……自分でも、よく分からずにいた。 「――あーあ、やっぱりアンタはどうしようもないシスコンねー」 俺が自問自答していると、声色を変えた桐乃がいつもの調子で言ってきた。 「へっ! もうそれは認めてやるぜ!」 悔しいけどな! 「へへーん、キモキモキモー!京介、アンタやばいってー!マジヤバーい」 桐乃は今までの空気なんて嘘みたいに、ニマニマ口元を弛めながら俺をからかってくる。 俺はもう、知っている。 俺のシスコンっぷりが表に出ると、桐乃はそんなに嫌がらない。 馬鹿にしつつも、表情は毎度ご満悦だ。 そんなに嫌われてない、っていう段階からはちょっと上がって、兄としてそれなりに気にかけてくれるレベルにはなっているのかもな。 「妹一途!とか、ギャルゲーみたいじゃーん!!」 なんか多少の事実の上乗せをされている気がするが、桐乃が嬉しそうだしツッコまないでおこう。 「……ふぅ。笑った」 賢者タイムよろしくな小休止を挟んで、 「まぁ、京介がチョコ全然貰えなかったんなら、仕方がない」 なんか偉そうに話し始めた桐乃。しかし今度は、急にモジモジし始めた。 「そ、その、どうしてもって言うなら?可哀想だし?……コレ」 「あん?」 顔を赤らめながら、桐乃が何かを俺に差し出した。 それは、ピンクを主体に綺麗にラッピングされた、チョコレートであった。 「えっ?ウソ?お前俺にくれんのっ!?」 驚いて、思わず大声で聞いてしまう。 「だ、だってこれはアンタがアタシの為に断ってチョコレートゼロならさすがにちょっと可哀想だしそれにアタシが原因でもあるし妹だし ――」 なんかスゲーテンパってますよ桐乃さん?大丈夫ですか? 「そ、そっか。え、えっと……ありがとな」 「う、うん!!か、感謝していいかんね!」 妹からだぞ!と、変な所、いや桐乃らしい所を強調されて受け取った。 「えへへ~♪」 まったくよぉ。いつもはクソ生意気なくせに。 たまに見せる可愛さが、異常なほどにカワイイんだぜ? 反則だよな、ホント。 ちなみに桐乃がくれたチョコレートは手作りだった。 食べる前に嫌な汗が出たりもしたが、実際はそれほど悪くない味だった。 激ウマ!とまではいかない味付けだったが、その分手作りっぽさが出ていて感動できたというか、 俺にとっては世界一美味しいチョコレートだったよ。 サンキュな、桐乃! ・ ・ ・ ・ ・ 524 名前:名無しさん@お腹いっぱい。[sage] 投稿日:2012/02/14(火) 19 59 03.59 ID SIsUCoNNO 妹からチョコ貰った。手作りだった。ちょっと泣けた。 525 名前:名無しさん@お腹いっぱい。[sage] 投稿日:2012/02/14(火) 20 01 15.42 ID JhTYreokO 524 kwsk 526 名前:名無しさん@お腹いっぱい。[sage] 投稿日:2012/02/14(火) 20 02 01.01 ID GraiFGklO 524 なん・・・だと・・・? きりりん以外にも、そんなブラコン妹がいるというのかorz ちょっと、兄になってくる 527 名前:名無しさん@お腹いっぱい。[sage] 投稿日:2012/02/14(火) 20 02 52.15 ID BUracONnO 524 奇遇だね。アタシも兄貴にあげたよ♪ 528 名前:名無しさん@お腹いっぱい。[sage] 投稿日:2012/02/14(火) 20 04 02.38 ID CkDeSKDqO 524 妄想乙 つか、IDwwwww 529 名前:名無しさん@お腹いっぱい。[sage] 投稿日:2012/02/14(火) 20 05 42.17 ID JDSauTrEO 524 IDすげええええええええええええぇぇぇぇぇぇぇwwwwwww!! きりりんスレも100だし、今夜は奇跡が起きてるぞ!!!!! 527 !? 530 名前:名無しさん@お腹いっぱい。[sage] 投稿日:2012/02/14(火) 20 06 11.35 ID XoViTQmnO 524 527 ねーよwww きりりんは特別ブラコンなんだぜ? あそこまで愛された天使がこの世界に他にいるとか…… ……嘘、だよな? マジだったら、俺、俺……(´;ω;`) 531 名前:名無しさん@お腹いっぱい。[sage] 投稿日:2012/02/14(火) 20 08 21.57 ID AIuymFPzO 100スレ記念と思って、いつも通りきりりんに兄パン投下に来てみれば 事 情 が 変 わ っ た 530 涙拭けよ、その涙はきりりんが兄婚する時までとっておくんだ。 532 名前:名無しさん@お腹いっぱい。[sage] 投稿日:2012/02/14(火) 20 09 02.03 ID mJbuCHowO チクショー 524, 527の話を聞いて、俺も妹にチョコくれって言ったら 「てめーは〇ンコでも食ってろよwww」って言われた 533 名前:名無しさん@お腹いっぱい。[sage] 投稿日:2012/02/14(火) 20 10 11.26 ID OdXraLeDO お前は泣いていい 534 名前:名無しさん@お腹いっぱい。[sage] 投稿日:2012/02/14(火) 20 10 42.55 ID KDyosdKjO これはkskするわなw まさかリアルに、手作り兄妹チョコとかあんのかよwwwww お裾分けならまだ分かるが、ガチなんだろうなー きりりんも嬉しいんじゃね?こういうの聞けたら このスレ伸びるな、間違いない ・ ・ ・ ・ ・ 1000 名前:名無しさん@お腹いっぱい。[sage] 投稿日:2012/02/14(火) 21 51 06. ID UpSbVIxTO 1000なら、 524と 527が高坂兄妹で、妹婚成就!! お わ り -------------
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451 名前:名無しさん@お腹いっぱい。[sage] 投稿日:2011/05/18(水) 21 11 33.88 ID Aj4AvmWy0 [4/4] 【SS】中猫子猫ネタ注意 黒猫シスターズの流れで。 443とは逆にしちゃったけど 桐乃「かっかっかっ可愛い!かわいい!くぅううううぅぅぅっ」 京介「落ち着けって、いや、一応耐えてはいるのか……?よしよし、どーどー」 桐乃「猛獣扱いすんな!」 珠希「!(ビクッ)」 桐乃「あ、あああ、ごめんね? 大丈夫だよ~優しいおねえちゃんだよ~」 珠希「……はいです」 桐乃「まったくもう!あんたのせいだかんね!このバカ兄貴!」 珠希「おにぃちゃんをいじめないでください……」 桐乃「ええっ!?う、ううう……?」 京介「(ブリジット相手の時といい、愛情MAXなのに慕われないんだよなコイツ……)まぁ、仲良くしてやってくれ」 珠希「おにぃちゃんが、そういうなら。ごめんなさい」 桐乃「うわあああ可愛――」 京介「よしよし偉いぞ。珠希ちゃんは本当に素直でいい子だな~」 珠希「えへへ」 桐乃「………………」 京介「どうした桐乃?ものすごく複雑そうな顔してんぞ?なんつーか……大好物くれた相手が宿敵みたいな?」 桐乃「――あんたは、どうしてこうッ……!」 日向「お客さん? ……! キレーなお姉さんだぁー!」 桐乃「え?え!?あたし?」 京介「お、日向ちゃんも来たか。お邪魔してるぜ」 日向「うわー、近くで見ると本当キレー! わぁー!わぁー! ん、あれ?何で高坂くんと一緒にいるの?」 桐乃「京介!聞いた?聞いた!?この可愛い子があたしをキレーだって!キレーだって!」 京介「わーったって。おまえ読モなんだから言われ慣れてんじゃねーのかよ?」 日向「名前で…………ひょっとして高坂くん……フタマタ?」 京介「んなーっ!? ば、バッカおま――」 桐乃「あははー、あたしは高坂桐乃。黒猫……おねえちゃんの友達。よろしくね」 日向「お姉さんがルリ姉の友達のビッチさんなんだ!?」 桐乃「んな!?び、ビビビ」 日向「高坂くん、愛人のビッチさんを連れてきて……修羅場?これから修羅場なんだね!?」 京介「色々ちげーよ!!……そんな尊敬の眼差しでなんつー呼び方……」 日向「だって、ルリ姉の友達なんでしょ!?しかもすっごい美人!ビッチさんすごい!」 桐乃「あ、あはははは、や、やだなーあはは」 京介「(だよな、怒るも泣くもできないよな。今日はとことん不憫なやつ)ま、俺の妹をよろしくな」 日向「妹?……あっ ビッチさんて高坂くんの妹だったっけ」 桐乃「そ、そう。日向ちゃん?も可愛いね~」 日向「ありがと! そっかー妹なんだ。さっきは恋人同士にしか見えなかったけど」 桐京「「!!??」」 -------------
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840 名前:名無しさん@お腹いっぱい。[sage] 投稿日:2011/05/01(日) 15 54 57.47 ID wC6Hqizj0 [3/3] 実はあやせたんは桐乃を守るために未来から送り込まれた義体。 開発者は大介パパ。桐乃と外見が似ていたのはそのため。 842 名前:名無しさん@お腹いっぱい。[sage] 投稿日:2011/05/01(日) 17 16 13.56 ID 3syvrJ2TO [5/5] 840を読んだ俺はこんな白昼夢を見た ※※※ 近未来。近親恋愛創作物弾圧を起こした巨大政党イシハラネットが指揮するモラル浄化運動により 絶滅の危機を迎えていた近親愛思想だが、抵抗組織指導者である高坂桐介の指揮下、反撃に転じる。 脅威を感じたイシハラネットは、未来から現代へ人工義体『新垣あやせ』を送りこんだ。 目的は高坂桐介を歴史から抹殺するため、彼の母親となる高坂桐乃に近親愛思想を持たせないこと、 並びに男を近づけさせないことである。 桐乃が近親愛思想に触れそうな場所が、同人誌即売会であることを突き止めたあやせは、 コミックマーケットに参加していた桐乃を強襲。エロ同人趣味を完全否定して絶交を宣言することで桐乃と近親愛思想を遮断する作戦に出る。 しかしあやせが予想できなかった事態が起こる。桐乃の兄である京介が、桐乃とあやせを仲直りさせるために、こともあろうに近親相姦を題材にした文学作品を持ち出してあやせに対抗。 さらには京介が桐乃のエロ同人趣味が邪なものでないと主張するために 自分が妹を大好きだと叫ぶにいたった。 あやせは高坂兄妹の関係を危惧し、ひとまず桐乃を守りぬくことを宣言してこの場を収めるのであった。 京介の行動の真意をはかりかねる桐乃であったが、京介の行動や想いに触れるうちに次第に心を開くようになる。 そして2人は、時が経つうちにお互いに兄妹愛を超えた感情を抱くようになり… あやせはそれからも、京介の幼なじみ、麻奈実に京介が振り向くように画策したり あやせ本人が京介を引き付けるべく行動をおこしたりするのだが 一方でその間に京介は、桐乃のオタク友達であり高校の後輩でもある黒猫こと瑠璃と急接近するようになり…… ※※※ 「審判の日」は迫る。京介と桐乃、また京介と黒猫の関係はどうなるか? そして、あやせはこの事態の中、どう動くのか?? 8巻発売を心して待たれよ!!! -------------
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321 名前:婚前旅行【SS】[sage] 投稿日:2011/06/26(日) 01 36 19.56 ID 5UPAdi2IO [1/2] http //www.gakko-bijutsukan.com/ このプロジェクトのとある企画から妄想 『ながの ながのです ご乗車ありがとうございます』 やたらテンション高い桐乃と共に、俺は長野駅のホームに降り立った。 桐乃と二人で行動するのにはもう慣れたが、今回の旅は分からんことはかりだ。 まず目的が、桐乃の学校での研究発表の為の美術鑑賞ということ。それでわざわざ長野まで行くもんなのか? そして俺。まあ他県だから付き添いはわからんでもない。しかし、なぜ桐乃は俺にスーツを着させたのだろうか。分からん… 「ほら、早くはやく」 上機嫌な桐乃に引きずられるように俺は長野駅を後にした。 しばらく歩いてたどり着いたのは、地元の中学校だった。なんでも、『学校を美術館にしよう』ということで、 芸術家や大学生、そして生徒が一体となってつくった様々な作品で学校を埋めつくすそうだ。 確かに、見てて面白い内容だ。教室の真ん中にクジラの尾びれがあったり まるで自分が空を飛んでいるかのように、教室の中に四季折々の下界がつくられていたり…… 桐乃と一緒に、俺はしばし不思議な世界を旅していた。 ※※※ そんなこんなで教室をまわっていると、いきなり元気な声で呼び止められたのだった。 「こんなきれいな彼女連れてデートとはねえ、この色男!! せっかくだから寄っていきなよ」 大学生くらいのお姉さんが指差すそこには『ブライダルウェディング櫻姫殿』の文字があった。 「ブ、ブライダル??」 「今更照れんなって、そんな気合い入った格好してるクセに。 それじゃ、彼女には素敵な衣装を着てもらうから、彼氏はしばらく待っててね」 そういうとお姉さんは桐乃を連れて奥に入って行った。 どうやらこれもアート企画の一つらしい。見ると中学生が何人もウェディングドレスを着ていた。 ドレスを着ていたみんながみんな、とても嬉しそうな顔をしていた。 (そうだよな、花嫁姿は憧れだよな。桐乃も、きっとこれが目的でここに来たんだな。 そうすると俺は、その気持ちにどう応えてやればいいんだろうな?) 「おまたせ、京介」 その声に顔を向けると、眩しいばかりの純白のドレスに身を包んだ桐乃の姿があった。 「……どう?似合う、かな?」 顔をほんのり赤らめて尋ねる桐乃に、俺もなんだかどぎまぎしてしまったが、 「綺麗だよ 桐乃……」 俺は本心から、そう言えた。 「ありがとう、京介……」 ※※※ 「さて、それでは桐乃さんと京介さんの結婚式を執り行います!」 先ほどのお姉さんが高らかに宣言しやがった。いったいどうしてそうなるんだ? しかしそんな俺の気持ちにお構い無しに、お姉さんがどんどん場を盛り上げて行くのだった。 いつの間にか、いかにも結婚式らしいBGMが流れ、周りにはどんどんギャラリーが集まってきた。 今度は、俺が顔を真っ赤にする番だった…… 用意されてた小道具の指輪を、俺はやっとの思いで摘んで、桐乃の指に通す。 「なに緊張してんの?」 「うっせえ」 だってこの姿をみんなに見られてんだぜ。しかもカメラマンが撮影までしてる。 しまいには「キス♪キス♪キス……」 ギャラリーが合唱し始めやがった。学校なのにいいのかよ? 俺はたまらずお姉さんの方を見ると彼女は大きくマルのサインを出してた。 「桐乃?」 桐乃は黙って、目をとじていた。 俺は覚悟を決めて深呼吸をすると言った。 「桐乃、大好きだ」 心臓が飛び出しそうなくらいに、でも、とても心地よい、二人の甘いひとときが、そこにはあった…… -------------
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908 名前:名無しさん@お腹いっぱい。[sage] 投稿日:2011/10/03(月) 12 59 15.85 ID ldWQDYFUO 京介が髪を伸ばしたら、あやせと区別が… 911 名前:名無しさん@お腹いっぱい。[sage] 投稿日:2011/10/03(月) 13 15 20.08 ID 9bJPHtj+0 [3/16] 908 桐乃「最近バカ兄貴が髪伸ばし始めてさ、後ろから見るとちょっとあやせに似てるんだよね」 あやせ「え?」 桐乃「あいつの部屋に行ったらあやせが寝てると思って、一緒に寝ちゃった」 あやせ「え?」 桐乃「この間あいつだって気付かなくて、あやせだと思って一緒にお風呂入って洗いっこしちゃった」 あやせ「え?」 桐乃「ほんと、紛らわしいからどうにかして欲しいよね。 最近はトイレに行くのにも誘っちゃうし」 あやせ「え?」 913 名前:名無しさん@お腹いっぱい。[sage] 投稿日:2011/10/03(月) 13 29 54.22 ID njN/fP5a0 [2/3] 911 桐乃「どうしたの、あやせ。いきなり携帯出したりして」 あやせ「うん、ちょっとメールを出すの忘れたの」 桐乃「もしかして男?」 あやせ「そんなんじゃないよ。あっそうだ、今日ちょっと用事があるから 一緒に帰れないの、ごめんね」 桐乃「ますます怪しい~」 あやせ「もう、桐乃ったら」 夕方、あたしが教室の窓から外をみると、スコップと特大虫めがねを持った あやせが校門に歩いていく姿が見えた。 桐乃「あやせ、あんなの持ってどこ行くんだろう」 -------------
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819 名前:【SS】センター試験を終えて[sage] 投稿日:2012/01/16(月) 18 34 04.96 ID sRiBnE+y0 [2/2] 京介「う~ん、a=3だから……」 コンコン 桐乃「いい?」 京介「いいぜ」 ガチャ 桐乃「あ、勉強してたんだ。 関心関心」 京介「まあな。センター試験が終わってこれからが本番だからな」 桐乃「そうだね。 それでセンター試験はどうだった?」 京介「どうと言われてもな…… ……桐乃はタマムシを叩いて踏み潰すような人にはなるなよ」 桐乃「?なにそれ? あたしが聞いてるのはちゃんとできたのかって事」 京介「ああ、そっちはばっちりだったぜ。 少なくても足切りはねえよ」 桐乃「ふ~ん、そうなんだ」 京介「おまえにもらったお守りのお陰かもな」 桐乃「あんたシスコンだから、妹に貰ったお守りは効果倍増だねw ……ねえ、もしかして、中身見た?」 京介「中身? 見てねえけど、何か入ってるのか?」 桐乃「見てないならいい! 絶対に見ちゃダメだからね!」 京介「まあ、お守りの中身なんて見るもんじゃねえし、おまえがそういうなら見ないけどよ」 桐乃「……でも、絶対に頑張らなくちゃいけないときには、見ていいから」ボソ 京介「うん? なんか言ったか?」 桐乃「なにも! ……ところで、第一志望受かりそう?」 京介「第一志望か…… 結構ランク高いところだから難しいけど、今の調子なら何とかなるかもな。 なんだ、珍しく心配してくれてるのか?」 桐乃「別に」 京介「まあそうだよな。 おまえが俺の大学の事なんか心配なんかするはずねえし」 桐乃「……ねえ、あたし、大学のランク落とす気無いから」 京介「何だ突然、藪から棒に。 そりゃおまえのことだ。行きたいところにいくだろうさ。 でもそうなるとあやせも大変だよな。 高校入ったらすぐに勉強しないとおまえと同じところには行けないだろうからな」 桐乃「そうじゃなくて! ……大学は最低でも4年制でしょ? だから、その……あたしの言いたい事わかるよね」 京介「??? …………! もしかして、そういうことか?」 桐乃「そういうこと。 わかったら、このあたし特製のミルクセーキでも飲んで死ぬほど頑張ること!」スッ 京介「相変わらず、おまえは素直じゃないよな」クス 京介「……ところで、このミルクセーキにはココアかコーヒーでも入ってるのか?」 桐乃「入ってないよ。普通のミルクセーキだもん」 京介(それでこの黒さか…… 頑張れるかはともかく、目が覚めることは間違いないな!) -------------
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572 名前:名無しさん@お腹いっぱい。[sage] 投稿日:2011/02/02(水) 00 39 38 ID oltqNnbuO [1/2] 幼少の京介は頼りになった。 桐乃はそんな兄貴が大好きだった。逆に幼少の桐乃にはそこまで飛び抜けた才能はなかった。 桐乃と京介の歳は三歳の差がある。男女の性差もある。どうしても身体能力に差はある。 京介の遊びに桐乃ではついていけないこともままあろう。 京介と桐乃には幼なじみがいる、麻奈実という。歳は京介と同じ、 性差はあれど成長期の早い女の子故に、京介についてこれる麻奈実は、京介にとって丁度良い相手で。 ついてこれない桐乃は自然な成り行きでほったかされることもやむ無く。 大好きな兄に構われないことは桐乃にとって寂しい、堪らないこと。もっと可愛いがられたい、甘えたい年頃で。 幼心に考えたのは、追いつくこと。 置いていかれるならば、追いつけないならば自分を鍛えて付いていけるようになること。 そんな一心で努力する、自身を高める、少しでも凄い兄に近づく為に。 たゆまぬ努力は結果を残す、評価される、親も喜ぶ、そして桐乃をきっと兄は褒めてくれるだろう、構ってくれるだろう。 良くやったなと、がんばったなと。 目論見も虚しく。 京介は桐乃を褒めない。構わない。それどころか桐乃が頑張った結果を伝えるたびに、報告するたびに表情が曇 580 名前:名無しさん@お腹いっぱい。[sage] 投稿日:2011/02/02(水) 00 59 34 ID oltqNnbuO [2/2] る。笑えない。 親からの比較、嫉妬、大人になれば割り切れるような澱んだ感情は、子供の京介にはまだ処理しきれない。 結果桐乃を遠ざける、向き合わない、相対するように麻奈実への依存は増す。 桐乃は分からない、何故京介が冷たくなってきてしまったのか、兄の為に頑張ったのに、兄と一緒に居たいから頑張ったのに、 頑張れば頑張るほど兄が遠のいてしまう。 それは困惑を生み、疑念を生む。増していく麻奈実との時間に抱く不信感。 すれ違いや勘違いも、長年、積もりに積もれば事実となり関係を形成する。 桐乃は京介が嫌いだ。好きに限りなく近い嫌いだ。 それは例えるならボタンを掛け違えてしまったかのような些細な違いでしかなく。 桐乃は今日も化粧をする。それこそ、外出しようが、家に兄しか居なかろうが、だ。 桐乃は今日も女を磨く。いつからか目を背けたまま直視してくれなくなった自分を、 また再び兄が見てくれる日が来ると信じて。 -------------
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176 名前:【SS】[sage] 投稿日:2011/10/04(火) 20 37 54.94 ID GFdW+Tcp0 [4/5] タイトル:天使の日 俺は桐乃と買い物に来ている。正確には桐乃の荷物持ちだが・・・ 最近、桐乃とよく出かけるようになってきた。最初は正直面倒だったが今は結構楽しい。 「桐乃、今日は『天使の日』だな」 俺は、何気なくお店の店頭に貼ってあったポップを見ながらそんなことを言った。 「はぁ?あんた、いきなり何言ってるわけ」 桐乃は変な人でも見るかのような目で俺を見る。 「なんでそんな目で見る。俺としては『天使の日』だなんて言葉を聞くとだな、俺の心を 癒してくれそうな気がしてだな・・・」 「・・・キモ、あんた、マジで言ってるの?」 「もちろん、まじめに言ってるが」 「そう・・・・・」 桐乃は少し考え込むような顔をして黙ってしまった。 どうしたんだこいつ・・・・・・ 「いきなり、黙ってどうした」 「えっ、いやなんでも・・・・・・」 「そうか・・・いきなり考え込むような顔をしてるから」 そのまま考え込んでいた桐乃だったが、しばらくすると俺に顔を向ける。 「あんたさ、そんなに・・・『天使の日』に興味があるの」 「えっ、まぁ興味あるっちゃあるな」 「わかった、あんたに後で『天使の日』を堪能させてあげるから、今日一日あたしの言う こと聞きなさい」 桐乃は唐突にそんなことを言う。 俺は何を言ってるかわからなかったが、桐乃の真剣な顔を見るとイヤとも言えず 「おまえ、そんなの持ってるのかよ」 「はぁ?普通持ってるに決まってんじゃない」 「そうか・・・わかった、俺にできることならな」 と言った。 「それは大丈夫、あんたにできることだから・・・」 桐乃はそう言って、俺の腕に自分の腕を絡ませてきた。 「おい、いきなり何すんだよ」 「うっさい、ちゃんと言うこと聞きなさい。今日一日あんたはあたしの彼氏、いいわね」 「えーーーーーーーーーーーーーーー」 桐乃の唐突な発言に俺は、思わず大声をあげてしまった。 「何イヤなの?そんじゃ『天使の日』の件はなしね」 「・・・・・わかった」 俺は、『天使の日』という甘い魅力に逆らえず、桐乃に従うことにした。 そして腕を組んだまま街を歩いていく。 「なぁ、桐乃・・・・・」 「どうかした」 「いや、あのな俺の肘におまえのその・・・なんだ・・・」 「なに、はっきり言いなさいよね」 「おまえの胸が肘に・・・」 俺がそういうと、桐乃の顔がみるみる赤くなり 「変態、なにあたしの胸の感触を楽しんでのよ、このシスコン」 「そう言ってもだな、今日一日おまえの彼氏になれだなんて言われるとだな」 「・・・キモ、あんたは意識しすぎ、もっと耐性をつけなさい」 そう言って、桐乃は余計に胸を押し付けてくる。 「おまえ、余計に押し付けてくるな」 「うっさい、あんたに耐性をつけてもらうための訓練よ」 そんなやり取りをしながら、俺たちは桐乃の当初の目的でもあるお店に向かった。 「ねぇ、これなんかどうかな」 「おまえ、髪染めてるからその色だといまいちなだ」 「んー、やっぱそうか、でもデザインは気に入ってるんだよな」 俺たちは、買い物をしながらそんなやり取りをする。それを見ていた店員が奥から一着の 服を持ってやってくる。 「こちらの色でしたら、ございますが」 「あっ、すいません。桐乃、試着してみたらどうだ」 「うん」 桐乃は服を受け取って、試着してみる。 「どうかな」 「似合ってるな、まぁおまえは元がいいからな」 「彼氏さんもこう言ってますがどうされますか」 桐乃は店員の言葉を聞いて、顔を赤くしてしまう。俺は『兄妹』ですと言いそうになった が、桐乃との約束を思い出して言うのをやめた。 買い物が終わると、お昼過ぎていた。 「昼過ぎたけど、どうする」 「それは彼氏がエスコートしてくれなきゃ、ちなみにジャンクフードは禁止」 「はいはい」 俺たちは近くのイタリアンレストランに入る。 「ここなら、俺の財布でも大丈夫そうだな」 「えっ、奢ってくれるの?あんた、たまにはいいこと言うじゃん」 「彼氏なんだからそれらしいところを見せないとな」 「・・・このシスコン」 食事が終わると、桐乃が頼んでいたドリンクが運ばれてきた。それを見た俺は言葉が出な かった。 「ん、どうしたの」 「いや・・・それは・・・・・」 「食後のドリンク」 「それはわかる。俺が言ってるのは何でストローが二本ついているかだ」 そう桐乃が頼んだドリンクは、たくさんのフルーツが盛り付けられていて見た目も派手で ある。しかしもっとも注目する点は、ハート型に細工されたストローが二本刺さっている ことだ。 「カップル用だから」 「やっぱり・・・」 「彼氏と飲むなら、これっしょ」 「いや、別にそこまでこだわる必要は・・・・」 「うっさい、『天使の日』・・・」 「・・・わかりました」 俺は今までの苦労が水の泡になるのがいやなので、渋々桐乃に従った。ドリンクを飲んで いる間、桐乃は顔を赤くはしていたが、ずっと笑顔であった。 「疲れた」 家に帰った俺は、自分の部屋に戻るとそうつぶやいた。 楽しくはあったが、一日中桐乃のハイテンションに引きずり回されて疲れ切っていた。 しばらくすると、部屋のドアをノックする音がした。 「ん、どうぞ」 俺がそう言うと、桐乃が入ってきた。 「お風呂、空いたから入ったら」 「おお、そうか、それじゃ行ってくる」 「あんたがお風呂に入っている間に、約束のやつ・・・準備しておくから」 「えっ、あっそうか・・・」 俺はそう言って風呂に向かった。正直、桐乃のハイテンションと疲労感で完全に約束のこ とを忘れていた。 風呂からあがって、部屋に戻ると桐乃の姿はなかった。 何だあいつ、準備するとかいっといて・・・・・ しばらくしても、桐乃は戻ってこない。 「まぁいいか、もう寝よう・・・」 俺はそのまま寝ることにする。昼間の疲れもあってか、すぐに眠くなる。そして意識が眠 りの中に落ちそうになったとき、布団の中に誰かが入ってくる感触を感じた。 俺が確認しようと布団をめくろうとすると、 「変態、めくるな」 と桐乃がもぞもぞと布団から頭だけを出しながら言った。 「おまえ、何やってるんだ」 「昼間の約束守りにきた・・・」 「『天使の日』か」 「そう・・・」 「添い寝と『天使の日』に何の関係がある」 「添い寝はついでというか・・・恥ずかしいから・・・」 添い寝も十分に恥ずかしいだろ。 俺はそう突っ込みを入れようとした。しかし俺に抱きついてくる桐乃の感触がいつもと違 う。あるべきものがないような・・・ 「おまえ・・・まさか・・・裸か」 「変態、下着は着けてるよ」 「よくわからん、何でそんな格好する必要がある」 「あんた、楽しみにしてたじゃない・・・・・」 「『天使の日』は楽しみにしてたが、それと下着姿にどんな関係が・・・」 「あんた、マジで言ってんの?『天使の日』ってのは下着メーカーが作った記念日・・・」 「はっ?」 俺は一瞬何を言われているのかわからなかった。 「だから、あんたが『天使の日』を楽しみにしてたのは、あっあたしの・・・下着姿を堪 能したかった・・・からでしょ」 そう言われて、やっと意味がわかった。 「待て、おまえはすごい勘違いをしている。いや俺も『天使の日』の本当の意味を知らな かったから、言い訳はできない。」 「どういうことよ」 「おまえが、天使のコスプレでも見せてくれるのかと気楽に考えてた・・・」 俺の言葉を聞いて、桐乃は俯きながら顔を真っ赤にする。 「・・・キモ、アキバじゃないんだから街中にコスプレの日なんて書いてあるわけないで しょ、てかあたしはそんなもん持ってない」 「そう言われれば確かに・・・・」 「マジ信じらんない、あたしがどんな気持ちでこんな格好を・・・・・この変態」 「逆切れかよ」 そう言うと、俺の体にしがみついてくる。 「おい、そんな格好でしがみついてくんな」 「うっさい、今布団から出たらあんたに襲われる」 「襲わない・・・というかそんな格好で抱きつかれると・・・」 「・・・変態、あたしに変なことしたら一生あたしの奴隷だからね」 「変なことはしない、約束する」 「・・・わかった、それじゃおやすみ」 「おい待て、今の話の流れだと布団から出て行くんじゃないか」 「シスコンのあんたには、罰として『天使の日』を堪能させてやる」 そして桐乃は俺にしがみついたまま眠ってしまった。俺はそのまま悶々とした夜を過ごす のであった。 完 -------------